04-11 『君子は徳と規範、小人は利益と安定』
現代語訳
お師匠様が言われました。「君子は道徳を大切に考えますが、小人は自分の生活や利得ばかりを気にします。君子は守るべき規範を意識しますが、小人は得られる利益ばかりを求めます。」
現代への応用(☑表示)
現代においても、人の行動は、その人が日頃何を気にかけているかによって大きく左右されます。利益や損得、生活の安定ばかりを意識していると、判断の基準も自然とそこに引き寄せられ、短期的な得失を優先する選択が増えていくものではないでしょうか。一方で、道徳や規範を常に意識している人は、たとえ不利な状況にあっても、自分の在り方を崩さずに判断することができ、その積み重ねが、長期的には信頼や評価として返ってくるものです。孔子はここで、外に現れる行動の違いよりも、その背後にある「関心の向き」を問題にしています。何を大切にしているかは、日々の思考の中で繰り返し意識され、そのまま行動となって表れるからです。現代社会では成果や利益が強調されがちですが、この章は、自分が普段どのようなことを心に置いているのかを問い直すことの重要性を示しています。どのような結果を求めるか以上に、何を基準に考え続けているかが、その人の生き方を形づくると言えるのではないでしょうか。
原文・書き下し文(☑表示)
| 子曰。 | 子曰く。 |
| 君子懷徳、 | 君子が徳すを懐かしめば、 |
| 小人懷土。 | 小人は土を懐かしむ。 |
| 君子懷刑、 | 君子が刑を懐かしめば、 |
| 小人懷惠。 | 小人は恵を懐かしむ。 |
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