04-10 『好き嫌いではなく正しさで判断する』
現代語訳
お師匠様が言われました。「君子は世の中に対して、これがよいと決めつけることもなく、これが悪いと決めつけることもなく、ただ義に従って判断します。」
現代への応用(☑表示)
現代社会では、立場や所属、過去の発言などによって、自分の意見や判断が固定されてしまうことが少なくありません。一度「こちら側」と決めてしまうと、その後は状況が変わっても柔軟に考え直すことが難しくなり、結果として本来の正しさを見失うことも多いのではないでしょうか。孔子はここで、あらかじめ特定の立場に固執するのではなく、その都度「義」に基づいて判断する姿勢を説いています。好き嫌いや利害関係ではなく、その場において何が正しいのかを基準に考えることで、偏りのない判断が可能になると考えられます。この考え方は、変化の激しい現代において特に重要です。状況が常に動き続ける中で、一貫しているべきなのは結論ではなく、判断の基準です。義という軸を持っていれば、環境や立場が変わっても、適切に考え直し、選び直すことができます。この章は、固定的な立場に縛られるのではなく、常に正しさに照らして判断する柔軟さと一貫性の両立こそが、成熟した人間の在り方であることを示していると言えるでしょう。
原文・書き下し文(☑表示)
| 子曰。 | 子曰く。 |
| 君子之於天下也、 | 君子の天下に於けるや、 |
| 無適也、 | 適うは無きなり、 |
| 無莫也、 | 莫は無きなり、 |
| 義之與比。 | 義之比に與する。 |
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