儒学のすすめ
論語 現代語訳大全

03-23 『音楽は秩序の生成と調和の過程である』

現代語訳

お師匠様がの国の楽官長へ、宮廷文化で用いられる音楽について説かれました。「音楽は理解できるものです。始めは音が一斉に立ち上がり、次第に調和し、明るく澄み、絶えず続きながら、こうして完成します。」

(音楽とは段階的に秩序が形成され、最終的に調和に至るプロセスであることを語られました、)
補注
  • 当時の士人の教養の一つに音楽が含まれていたこともあり、孔子こうしは音楽に大変詳しかったようです。

現代への応用(☑表示)

現代社会では、最初から完成された状態や、すぐに成果が出ることが求められがちです。しかし実際には、多くの物事は初めから整っているわけではなく、試行錯誤や調整を重ねながら、徐々に形を整えていくものではないでしょうか。

例えば、組織の運営やチームでの仕事においても、最初は意見がばらばらでまとまりがなく、方向性が定まらないことがあります。それでも対話や経験を重ねていく中で、少しずつ共通の理解が生まれ、やがて調和のとれた状態へと近づいていくものではないでしょうか。その過程を経てこそ、持続的で安定した成果が生まれるものと考えられます。

孔子が示しているのは、秩序や調和は一瞬で完成するものではなく、音楽のように段階的に形成されるものであるという考え方です。最初の混沌とした状態を否定するのではなく、それを出発点として、徐々に整えていくことに価値があると考えられます。

現代においても、物事がすぐにうまくいかないからといって焦るのではなく、その過程そのものに意味を見出すことが重要だと考えられます。初めの不完全さを受け入れながら、少しずつ整えていく姿勢が、最終的な調和と完成へとつながっていくものと考えられます。

原文・書き下し文(☑表示)

子語魯大師樂曰。大師たいしがくげていわく。
樂其可知也。がくきなり。
始作翕如也。はじめはうをおこごとくなり。
從之純如也、これじゅうじてじゅんごとくなりて、
皎如也、きよごとくなりて、
繹如也、つらなるごとくなりて、
以成。もっる。
広告

【次へ】 03-24 『孔子は天によって教えを広める存在と見なされた』

【前へ】 03-22 『管仲の行為を通じて礼の定義の曖昧さが問われる』

八佾はちいつ第三の章一覧を見る