儒学のすすめ
論語 現代語訳大全

03-14 『歴史的に完成された制度を選ぶ』

現代語訳

お師匠様が言われました。「しゅう王朝(※)は、王朝といん王朝の二代を受け継いでいるために、非常に文化が整い華やかです。ですから、私はしゅうの制度に従います。」
補注
  • しゅう王朝は、孔子こうしが生存していた当時の中国王朝。当時の中国は礼節が乱れていた時代と言われていますが、孔子こうしは自身より目上のしゅう王朝に従おうと判断したようです。

現代への応用(☑表示)

現代社会では、新しさや独自性が重視される一方で、長い時間をかけて磨かれてきた仕組みや価値が軽視されることもあるのではないでしょうか。しかし、長く受け継がれてきた制度や慣習には、それだけ多くの試行錯誤と改善の積み重ねが含まれており、単なる古さではなく洗練の結果として存在しているものと考えられます。

例えば、組織の運営方法や仕事の進め方においても、新しい手法を取り入れること自体は重要ですが、それまでに築かれてきた仕組みの意味を理解せずに変えてしまうと、かえって全体のバランスを崩してしまうこともあるものではないでしょうか。逆に、過去の蓄積をよく理解したうえで必要な部分だけを取り入れたり改善したりすることで、より安定した成果につながると考えられます。

孔子がここで示しているのは、単に古いものを守ることではなく、複数の時代を経て洗練されてきたものを見極め、それに学ぶ姿勢です。新しさだけを追い求めるのでもなく、古さに固執するのでもなく、積み重ねの中で磨かれてきた価値を正しく評価することが求められているものと考えられます。

現代においても、何かを選択するときには、その背景にある歴史や経緯に目を向けることが重要だと考えらます。表面的な新旧にとらわれるのではなく、どれだけ多くの経験と検証を経てきたかを見極めることで、より確かな判断ができるようになるものではないでしょうか。

原文・書き下し文(☑表示)

子曰。いわく。
周監於二代、しゅう二代にだいかんがみて、
郁郁乎文哉。郁郁いくいくとしてぶんなるかな。
吾從周。われしゅうしたがわん。
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