儒学のすすめ
論語 現代語訳大全

02-19 『正しい人材登用の重要性』

現代語訳

の国の君主、哀公あいこうが問われました。「どのようにすれば、民間の人々が従うでしょうか?」

お師匠様が応じて言われました。「正しい人を引き立てて、道を外れた人の上に位づけたなら、民間の人々は従います。しかし、道を外れた人を引き立てて、正しい人の上に位づけたなら、民間の人々は従わなくなります。」
登場人物
  • 哀公あいこうの25代王。
  • お師匠様 … 孔子こうし本人。名はきゅう、字は仲尼ちゅうじ

現代への応用(☑表示)

この章は、「人を動かすための根本原則」を示しています。

現代においても、組織や社会を円滑に動かすためには、制度やルール以上に「誰が評価され、どのような人が上に立つか」が大きな影響を持つものと考えられます。孔子は、正しい人を登用し、その人を中心に据えることで、人々は自然と従うようになると説いています。

逆に、道を外れた人物が重用されると、組織全体の基準が崩れ、不信感が広がります。その結果、人々は表面的には従っているように見えても、内心では納得せず、真の意味での協力は得られなくなるものではないでしょうか。

たとえば現代の職場でも、公平で誠実な人物が評価される環境では、周囲もそれにならおうとするものではないでしょうか。一方で、不正や不公平が見過ごされる環境では、努力する意欲そのものが失われていくものです。

この章は、「人は命令ではなく、基準によって動く」という現実を教えています。誰を評価し、誰を上に置くのか。その選択こそが、組織や社会の在り方を決定づけると説かれています。

原文・書き下し文(☑表示)

哀公問曰。哀公あいこううてわく。
何爲則民服。なにさばすなわたみふくせん。
 
孔子對曰。孔子こうしこたえていわく。
舉直錯諸枉、なおきをげてこれまがれるにじれば、
則民服。たみふくせん。
舉枉錯諸直、まがれるをげてこれなおきにじれば、
則民不服。すなわたみふくせず。
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