儒学のすすめ
論語 現代語訳大全

02-10 『行為・動機・本心で人柄を判断する』

現代語訳

お師匠様が言われました。「その人の行いを見て、どのような考えや経緯でそうしているのかを観察し、何に心の安らぎを得ているのかを見極めれば、その人がどういう人物か、どうして隠せましょうか?その人がどういう人物か、どうして隠せましょうか?」

現代への応用(☑表示)

この章は、「人を見極めるための視点」を具体的に示しています。

現代では、第一印象や肩書き、発言のうまさなど、表面的な情報で人を判断してしまいがちではないでしょうか。しかし孔子は、「その人が何をしているか(行為)」「なぜそうしているのか(動機)」「何に心の安らぎを感じているのか(本心)」という三つの観点から見れば、その人の本質は隠せないと説いています。

たとえば仕事の場面でも、成果だけを見るのではなく、その過程や意図、そしてどのような価値観に支えられているかを見ることで、その人の信頼性はより正確に判断できるものと考えられます。また人間関係においても、表面上の言葉の巧みさよりも、日々の行動や選択の積み重ねに目を向けることが重要だと考えられます。

この章は、「人は表面を取り繕えても、本質までは隠せない」という現実を教えています。表面に惑わされず、行動・動機・心のあり方を丁寧に見ることが、現代においても人を正しく理解するための基本姿勢といえるのではないでしょうか。

原文・書き下し文(☑表示)

子曰。いわく。
視其所以、もってするところ
觀其所由、ところ
察其所安、やすんずるところさっすれば、
人焉廋哉、ひといずくんぞかくさんや、
人焉廋哉。ひといずくんぞかくさんや。
広告

【次へ】 02-11 『温故知新と師の条件』

【前へ】 02-09 『学びを実践する者』

為政いせい第二の章一覧を見る