02-08 『孝における態度の重要性』
現代語訳
子夏が孝順について問われました。お師匠様が言われました。「顔つきこそ難しい。仕事があれば若者がその労を引き受けて、酒や食事があれば年長者に差し出します。しかし、それだけで孝順と言えるでしょうか?(難しい顔つきではなく、気持ちのこもった態度でご奉仕することが大切です。)」
登場人物
- 子夏 … 孔子の弟子。孔門十哲の一人。名は商。
- お師匠様 … 孔子本人。名は丘、字は仲尼。
現代への応用(☑表示)
現代においては、「相手のために何かをしている」という事実そのものに意識が向きがちです。しかし本章では、その“やっている内容”以上に、“どのような態度で行っているか”が重要であると示されています。本章の「顔つきこそ難しい。」という言葉は、行動よりもむしろ表情や態度にこそ、本当の気持ちが表れることを指摘しています。さらに、「仕事があれば若者がその労を引き受けて、酒や食事があれば年長者に差し出します。」とあるように、形式的な行為だけであれば、誰でも実行することは可能です。しかし、「それだけで孝順と言えるでしょうか?」と問われているように、そこに不満や義務感だけが伴っている場合、その行為は本来の価値を持たないと考えられます。現代に置き換えると、例えば家族の世話や仕事上のサポートをしていても、無表情であったり、不機嫌な態度で行っていれば、相手には「やらされている」という印象が伝わってしまうものではないでしょうか。これでは、かえって関係性を悪化させることさえあります。一方で、同じ行為であっても、穏やかな表情や思いやりのある態度が伴っていれば、その価値は大きく変わるものではないでしょうか。人は行動そのものだけでなく、その背後にある気持ちを敏感に感じ取るからです。つまり本章は、「行為の正しさだけでなく、それをどのような態度で行うかが、人間関係の質を決める」という教えを示しています。そして私たちは、自分の行動が相手にどのような印象を与えているかを、常に意識する必要があるのではないでしょうか。
原文・書き下し文(☑表示)
| 子夏問孝。 | 子夏、孝を問う。 |
| 子曰。 | 子曰く。 |
| 色難。 | 色は難くす。 |
| … | |
| 有事弟子服其勞、 | 弟子事える有らば、其の労に服す。 |
| 有酒食先生饌。 | 酒食が有らば、先生が饌す。 |
| … | |
| 曾、是以爲孝乎。 | 曾ち、是を以て孝と為さんや。 |
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