儒学のすすめ
論語 現代語訳大全

04-08 『道理を知ることは、生死を超える価値がある』

現代語訳

お師匠様が言われました。「朝方に正しい道をを本当に理解できたなら、思い残すことはなく、夕方には死んでもよいですね。」

現代への応用(☑表示)

現代では、長く生きることや多くを得ることが重視されがちですが、その中で「何を基準に生きるか」が曖昧なまま日々を過ごしてしまうことも少なくないのではないでしょうか。情報や価値観があふれる社会においては、自分にとって何が正しいのかを見失いやすくなっています。

孔子はここで、「道」を本当に理解することの価値を強く説いています。それは単なる知識として知ることではなく、自分の生き方の軸として確信できる状態を指します。そのような理解に至れば、人生に対する迷いや不安は大きく減り、自分の進むべき方向がはっきりと見えるようになります。

重要なのは、長く生きることそのものではなく、どのような理解と基準を持って生きるかという点だと考えられます。たとえ時間が限られていたとしても、自分の進むべき道を確信できている人生は、迷い続ける長い人生よりも充実したものとなり得ます。

この章は、人生の長さではなく、その質を決定づけるのは「何を真に理解しているか」であるということを示しています。現代においても、自分の軸となる考え方を見出すことが、充実した生き方につながると言えるでしょう。

原文・書き下し文(☑表示)

子曰。いわく。
朝聞道、あさみちくは、
夕死可矣。ゆうかな。
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