03-18 『正しい礼が不正と誤認されることがある』
現代語訳
お師匠様が言われました。「君主へ仕えて礼を尽くせば、それを見た人々は”媚び諂っている”と考えることがあります。」
現代への応用(☑表示)
現代社会においても、誠実に振る舞っているにもかかわらず、それが誤解されてしまう場面は少なくありません。丁寧に対応すれば「へりくだりすぎだ」と受け取られたり、礼儀を尽くせば「取り入ろうとしている」と見られたりすることがあります。このような状況では、周囲の評価を気にするあまり、自分の行動を変えてしまいたくなることもあります。しかし、その都度他者の見方に合わせて態度を変えてしまえば、自分の基準は揺らぎ、何が正しいのか分からなくなってしまいます。孔子が示しているのは、他人にどう見られるかではなく、自分の行いが礼にかなっているかどうかを基準にするという姿勢です。たとえ誤解されることがあったとしても、自らの行為が正しいと確信できるのであれば、それを貫くことが大切だと考えられています。現代においても、周囲の評価や印象に振り回されるのではなく、自分の中にある基準に基づいて行動することが重要だと考えられます。誤解を恐れて本来の姿勢を崩すのではなく、何を大切にしているのかを見失わないことが、長期的な信頼や一貫性につながっていくのではないでしょうか。
原文・書き下し文(☑表示)
| 子曰。 | 子曰く。 |
| 事君盡禮、 | 君に事うるに礼を尽くせば、 |
| 人以爲諂也。 | 人以て諂いと為すなり。 |
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