儒学のすすめ
論語 現代語訳大全

02-01 『徳によって人が自然に従う政治』

現代語訳

お師匠様が言われました。「徳をもって政治を行うことは、例えれば、”北極星が自分の場所にいて、周囲の星々がここへに向かっている”かの様になるものです。」

現代への応用(☑表示)

現代社会においても、組織や社会を動かす方法には大きく二つの考え方があります。一つは、規則や罰則、強制力によって人を動かす方法。もう一つは、人徳や信頼によって人が自発的に動く状態を作る方法です。

本章で述べられている「徳をもって政治を行うことは、例えれば、“北極星が自分の場所にいて、周囲の星々がここへに向かっている”かの様になるものです。」という言葉は、後者の重要性を示しています。

例えば、会社経営において、厳しいルールや監視によって社員を管理することは可能です。しかし、そのような環境では、人は最低限の行動しかしなくなり、主体性や創意工夫は生まれにくくなるものではないでしょうか。

一方で、経営者や上司が誠実さや公正さを持ち、日々の行動で信頼を積み重ねていれば、社員は自然とその姿勢に引き寄せられ、自発的に組織へ貢献しようとするものではないでしょうか。これはまさに、北極星を中心に星々が巡る姿に例えられる状態であると考えられます。

この考え方は、家庭や地域社会、人間関係にも応用できます。強制や圧力で相手を動かそうとするのではなく、自らの在り方を整えることで、周囲が自然と調和する状態を目指すことが重要だと考えられます。

つまり本章は、「人を動かそうとする前に、自分の徳を整えることが最も効果的な方法である」という普遍的な教えを示しているのです。

原文・書き下し文(☑表示)

子曰。いわく。
爲政以徳、まつりごとすにとくもってすは、
譬如北辰居其所、たとえば、北辰ほくしんところて、
而衆星共之。衆星しゅうせいこれむかうがごとし。
広告

【次へ】 02-02 『詩経の精神は“邪心のなさ”にある』

【前へ】 01-16 『他人に評価されることよりも、他人を理解することを重視する』

為政いせい第二の章一覧を見る